
合宿内容
|
今回の合宿が始まるにあたって、何となく、淡々と終わっていくような気がしていた。チームとしてのまとまりも出てきて、普段から大切なことについては話をしているから、その分オートに、何事もなく5日間が過ぎていくような感覚。感情的になる瞬間などもなく。
でも、そんなことはなかった。
多分、僕はこれまでのように同じようなミスを続けて行くんだろう。
部員がいなくなってから、あの時の自分は恵まれていたんだと気づく。
今回の合宿でキキが、そして大致が来てくれたことで、あの頃は良かった、恵まれていたと思わされる。
いて当たり前だった人を失って初めて、それが当たり前ではないことに気づく。
僕がいかに恵まれていたのかを。
でも、今回はそうじゃなかった。
今回の合宿で、一番気づかされたのはもしかして僕かもしれない。
部員たちのやる気が自分の想像を超えるレベルにまで達してきていること。
走ることを始めたばかりの、あらゆる可能性を信じていた頃の僕と同じ。
倒れるまで倒れることに気づかないくらい純粋に前に進もうとする気持ち。
あの頃の自分には決して勝てないと思う。
走力のことではなく、走ることに対する一生懸命さで。
君たちの真剣な眼差しから気後れを取る瞬間が来るとは思っていなかった。
飯盛の時でも、そんなことは感じたことがなかった。
そんなことに気づかされた合宿だった。
短距離の100×30、3人しかいない女子部員。その絆の強さに感動し、見ていて泣きそうになった。マネージャーの杏も含めてのチーム、こんなに素晴らしいチームが試合に出られないのは本当に悲しい。
男子の競争意識、同学年、後輩との競り合いもこれまでの次元を一つ超えたものとなった。支部大会で負けるチームではないと思う。
クロカンハーフ。
ずっと怪我で走れなかったやまもん。
初日は走っていて意識を失った。
だから、どこかで止める覚悟もしていた。
顔面蒼白、何度も止めようと思った。
「今止まったらもう走れなくなりそうです」、そう答えたやまもんを止めることなんてやっぱりできなかった。
クロカンの9周が終わった時、やまもんは泣いていた。止めなくてよかった、走りきれてよかったと思った。
去年、雨のあと太陽が差してサニアパークがキラキラ霞がかかり輝いた時、この光景を忘れないと三浦が言った。
やまもんにとっては、このクロカンハーフでの経験が忘れられないものになったと思う。
そして、この苦しみを共にした部員みんなにとって特別な時間となったことを願う。
僕をこの場に導いた高3の夏合宿のように、
それは、これから先、君が君であることの証明になっていくから。
簡単に諦めないでほしい、
大変なことだって乗り越えられることを学んだのだから。
夢を持とう。
夢は無限の力を与えてくれるから。
どんなに苦しいことだって、夢さえあれば乗り越えられる。
それだけは自信を持って言える。
僕の描いている夢も、遥か彼方にあったものが、たくさんの苦しいことを乗り越えて、今では夢ではなく目標になりつつある。
それは三鷹の人からの「誰も手を抜いていない、いいメンバーだね」という一言だったり、ファンタイムさんから今回言われた「初めて法政さんが来たときは食事の残りが本当にたくさんあったけど、今年はほとんどなかった」という言葉だったりする。レースの結果とかではなく、本当の意味で。
日本一のチームを目指す。
そんな毎日が本当に楽しい。
君達と過ごせるほんの少しの時間が、
僕にとっては夢の時間
いつか必ずくる別れの日まで
そして、その時またあの言葉が言えるように
離れていても、心は一つ
今度こそ、本当に。
|
|
|

|